自閉症成人に対するMテクニック®実施の症例紹介

Mテクニック®プラクティショナーコースの

受講生さんより

 

 

自閉症成人のクライアントに対する

Mテクニック®を用いたケアの実践について

興味深い症例をシェアいただきましたので

ご紹介させていただきます

 

 

Mテクニックのタッチの特徴である

 

●一定の圧、スピード、繰り返し

●オイル不要、洋服や毛布の上からも行える

 

 

これらを最大限に活かしたケアを

行ってくださいました

 

 

また実施への準備から施術中、その後まで

 

 

クライアントとご家族の心情に

細やかな心遣いをしながら共に伴走する

セラピストとしての姿勢にも

学ぶべき部分がたくさんある実施報告でした

 

 

受講生さんの許可をいただき

ほんの一部ですがご紹介させていただきますね

 

 

 

 

クライアントの様子~Mテクニック®実施までの経緯

 

 

●自閉症スペクトラム症(ASD)成人

 

●対人関係や社会性の困難さが強く、知的障害も併せ持つ

 

●予測不可能な場面、見通しの立たない時間、コミュニケーションがうまく図れないなど困難な事象が起こった時にパニック、自傷や他害行動が見られる

 

●家庭や学校等では、カームダウンエリアを用意、物理的な刺激を排除し、感情を落ち着けるための空間を活用。毛布にくるまってじっとするという方法が一番落ち着く

 

●毛布にくるまった上から、背中をトントン叩いてほしいとクレーン動作で相手の手を背中へ置くように促すことから、母親から「毛布の上からタッチケアなどができるのではないか」との相談を受け、Mテクニックの実施に至る

 

●ご本人にケアの流れに見通しを持って安心していただくため、ケアを実施する 1 週間ほどまえから、触れる部位と順番(流れ)を事前に母親から伝えておいてもらいケアの当日を迎えた

 

 

 

 

 

Mテクニック® 実施時の様子

 

 

●触覚過敏が強いため、肌にじかに触れることはせず、着衣の上から毛布にくるまった状態でケアを実施

 

●事前に母親からのレクチャーがあったこともあり、ファーストタッチで不快な反応も見られず、リズミカルに動く手の動きに集中しているように感じた

 

●ときおり「フッフ~」という機嫌のよいときに発する声が聞かれ、近くで見守っていた母親からも「きっとタッチングが気に入っているんだと思います」とのコメントをいただく

 

●顔へのタッチングは、本人から触れてほしくないという意思を伝えてこられたため、次の手技にうつる

 

●全体を通してとても落ち着いてケアを受けており、顔以外の部位では呼吸もゆっくりと落ち着き、機嫌よくケアの時間を過ごしていたように見受けられた。またケア中、軽いロッキングの動きがみられていたため、手の動きもそのリズムに合わせるようにしながら行っていくと、リズムのテンポがゆっくりとしてくるのもわかった

 

●目を閉じてケアをうけられていたが、仰向けになった時、強く閉じられていた瞼が次第に力が抜けて弛緩していくようすが見てとれた

 

 

 

 

Mテクニック® 実施後の変化

 

●つねに身体全体に力が入りすぎていることもあり、両腕が体側から離れ浮いたような姿勢でいることが多く、常に肩が上がった状態であったが、上肢が弛緩したことで両腕、肩共に下がった状態になり呼吸もしやすい姿勢になっていた

 

●一度体験したことは忘れずに記憶しているという特性もあり、手順をおぼえて母親に同じことをするよう要求する回数がふえた

 

 

 

母からのコメント

 

「今までもいろいろなことにはまり、こだわり、マイブームになり飽きていくということをくりかえしてきたが、そのほとんどが一人で何かに向き合うことばかりだったため、マッサージをしてほしいと自分の気持ちを伝えにきてくれるたび、母親としての喜びを感じている。親子2人だけの大事な時間を作れるようになったのがとても嬉しい」

 

 

 

 

実施後の経過

 

気分によってムラはあるものの、現在も親子でのタッチングの時間は継続されているとのこと。タッチングをした後の夜は寝つきもよくなり、一日の生活リズムが整うようになってきたとのこと。触覚の過敏さが毎日のタッチングで軽減されたとはいえないが、タッチングの時間に家族(母親・父親・兄)に触れられることへの抵抗はなくなってきたとのこと。

 

 

 

 

セラピストの感想

 

今回のケースは、自分にとって安全な環境で、しっかりと触れ、同じリズムで繰り返し行われるタッチングの感覚が、快刺激となり「安心」を伝えられたのはないかと感じる。

またそのプロセスを繰り返す中で、Kさんとそのご家族のコミュニケーションの確立にも役立ったことになにより嬉しさを感じた。

 

医療的なケアを必要とする方の病棟で勤務していることもあり、今後、触覚の充足から感覚統合を支援する療育プログラムにMテクニックを取り入れていきたいと考えており、一人でも多くの方に触れ、触れ合うことで得られる安心感と幸福のつながりを作っていきたいと思う。

 

 

 

 

 

貴重な症例のシェアをありがとうございました!

 

 

タッチング、アロマセラピーは

自閉症を抱えるかた、そのご家族への

ケアとしても用いられています

 

 

こちらの投稿もぜひご覧ください

◆自閉症とアロマセラピー

 

 

 

 

Mテクニックは、心や体に病を抱えるかた

赤ちゃん、高齢者、もちろん健康なかたにも

 

 

どんなかたにも深いリラックスと安寧を

感じていただけるタッチケアの手法です

 

 

 

◆Mテクニック®認定講座詳細はこちらから