緩和ケア病棟でのアロマトリートメント研修

10月から3回にわたって

アロマの導入をお手伝いしている緩和ケア病棟で

アロマトリートメント研修を行いました

 

 

こちらの緩和ケア病棟は9月にオープンしたばかりですが

 

看護師が行うケアとして

症状緩和を目的としたアロマトリートメントを

積極的に行っていきたい、という方針のもと

 

 

病棟オープン前からみなさんと少しずつ準備を進めながら

研修を行ってきました

 

 

 

◆病棟オープン前のアロマセラピー講座の様子

 

 

今回は日勤を終えての時間外の研修となりましたが

 

ケアの幅を広げるためと、3日間で師長さん含め

病棟の看護師さん全員がご参加くださり

 

ほか介護福祉士さん、理学療法士さんなど

幅広い職種の方にもご参加いただきました

 

 

 

病棟がオープンして2か月

現場では便秘にお悩みの患者さんが多く

「お腹のマッサージも学びたい」とのご要望で

 

ハンド・フットマッサージに加え

全部で3部位についてのタッチング法をお伝えしました

 

 

終末期の患者さんは、活動性が低下することに加え

薬剤などの影響でも便秘になることが多いのですが

 

便秘が悪化することは

せん妄のリスク因子ともなり得るため

日々のケアがとても大切になってきます

 

 

便秘に対する薬剤の調整等に加え

非薬物的なケアとして腹部へのトリートメントで

腸蠕動運動促進効果が期待できます

 

 

私の経験上、オイルを使わず

洋服や毛布の上からのタッチングでも

お腹のガスが出てすっきりされる患者さんも多かったです

 

 

今ある辛さを少しでも和らげる

そんなケアができるようになると良いですね

 

 

ご参加いただいたスタッフの多くの方が

タッチングを学ぶのが初めて、という中

みなさん遅い時間まで本当に熱心に学んでくださいました

 

 

病棟の看護師さんは本当に業務が多忙なため

 

マッサージの手技については

なるべく覚えやすいようシンプルな手順で

 

そして短時間の施術でも症状緩和のサポートや

深いリラックスを感じていただけるような

タッチングの方法をお伝えしました

 

 

お互いにマッサージする・される側を経験し

 

「すごく気持ちいい」

「体がポカポカする」

「明日さっそく○○さん(患者さん)にやってあげたい」

 

などなど、実際に触れてみて感じることが

たくさんあったようです

それも大切な学びの経験です

 

 

研修も回数を追うごとに

さっそく病棟内で実践しました、という

うれしいご報告を次々いただくようになりました

 

 

トリートメントに使用するオイルは

薬剤師さんが院内製剤として

患者さんごとに作成したものを使用しています

 

 

研修後は看護師からのマッサージオイルのオーダーが増え

容器の発注が追い付かないほどだと

嬉しいご報告もいただきました

 

 

藤沢市 鵠沼海岸 アロマサロン flow よもぎ蒸し

 

「患者さんの部屋に行くと

アロマの香りが残っていて

マッサージしたんだなあってわかるんです」

 

 

そんな言葉を聞ける日がこんなにも早く来るとは

私も思ってもみませんでした

 

これもすべて看護師さんたちの想いと

実践の結果です

 

 

お伝えした技術が

患者さんへケアとして届けられていることが

なによりも本当に嬉しかったです

 

 

終末期、限りある人生の時間の中で

患者さんにとっては

次のアロママッサージを楽しみに待つ時間が

気持ちの支えとなることもあります

 

 

そして看護師がアロマセラピーを通して

患者さんとゆったりと関わる時間は

患者さんのリラックスに繋がるだけでなく

 

看護師さん自身の内側を整えるための

時間となることも期待しているところです

 

 

アロママッサージを通して生まれる患者さんとの関わりは

決して「ギブ&テイク」の関係ではなく

 

「両者が共に良い時間の中にある」

という関係性です

 

 

マッサージに慣れるまでは、手順を頭で追っていたり

自分のことで精一杯なこともあるかもしれません

 

 

でも練習を重ね、しっかり習得できると

患者さんに目と心を向けながら行うことができるようになります

 

 

心地よい香り、あたたかな触れ合いという

その安心感の中でこそ

 

患者さんは、自分の痛みや

心身の緊張を手放すことができると感じています

 

 

安心して目を閉じ休まれている様子

つらそうだった眉間のしわが消えていく様子は

施術者にとっても本当にうれしいこと

 

 

自分にとって良い時間だったと感じられた時は

患者さんも同じくそう感じてくださっているはずです

 

 

 

患者さんの変化を見守りながら

あたたかいタッチングを届けていっていただけたらと思っています

 

 

 

 

研修最終日には私から

病棟オープンのお祝いに書籍を2冊

寄贈させていただきました

 

さまざまな精油のプロフィール、心身への作用、不調に合わせたアロマの活用法が学べる一冊。患者さんだけでなく、スタッフのみなさんのケアにも活かしていただけたら

 

私が卒業したセラピストスクール学院長の著書。臨床での患者さんとのアロマセラピーを通した関わりのエピソードが満載

 

 

引き続きみなさんの技術向上の

お手伝いができればと思っています

3日間本当におつかれさまでした!

 

 

 

 

 

病院のシンボルツリーに見守られながら。もうすぐクリスマスですね♪