日本死の臨床研究会年次大会で登壇いたしました/真の援助者とは?

先日岩手県盛岡市で開催された

第48回日本死の臨床研究会年次大会

シンポジウムに登壇させていただきました

 

 

 

日本死の臨床研究会は約50年の歴史ある
終末期医療の研究会

 

会員は医療従事者にとどまらず
私のようなアロマセラピストや非医療従事者
がん経験者など

 

死の臨床に少しでも関わりがあり
そのなかで最適な援助の道をめざし
痛みや苦しみを抱えている人たちと
共に歩もうとしておられる方々が学び合う会です

 

 

 

シンポジウムのテーマは「真の援助者を目指して」

 

演者2名の講演ののち、テーマを決めて

会場の皆様がグループに分かれて語り合う90分に

ご一緒させていただきました

 

 

まずは陸前高田市国民健康保険診療所の

岩井直路先生のご講演

 

東日本大震災後、三陸沿岸の診療所で医師として

さまざまな苦しみを抱える患者さんと向き合う中で

 

震災から何年経っても

「時薬(ときぐすり)」というものはなく

心は揺れ動くもの

 

患者さんが抱える苦しみを引き出す難しさ

 

被災の大小の区別はなく

みなそれぞれの

痛み・苦しみを抱えている

 

そんな風に患者さんお一人お一人に

真摯に、丁寧に向き合う岩井先生の言葉に

心打たれる思いでした

 

 

 

続いて私からは、現在ボランティアで活動する

日野原記念ピースハウス病院での

看護師とアロマセラピストの連携による

アロマケアのお話を中心に

 

私が普段臨床の現場で感じていることを

お話させていただきました

 

 

私はアロマセラピストとして臨床の現場に立ち

10年ほどになります

 

真の援助者とは?という問いには

この10年ずっと向き合い続けてきました

 

私は現在ピースハウス病院で

非医療従事者・ボランティア・アロマセラピスト

という立場で患者さんに関わらせていただいています

 

医療の中で、非医療従事者が活動することは

病院にとっては時にリスクとなることも

あるかもしれません

 

またアロマセラピーというもの自体

医療の中での学術的エビデンスが十分とは

言えません

 

 

欠けている部分がある…そんな私が臨床において

果たして援助者になれるのだろうか?と

幾度となく揺らぐことがあります

 

 

でもこうして10年、現場から離れることなく

セラピストを続けてこれたのは

 

アロマで出会った患者さんがくれた言葉が

私を支え続けていることと

 

病院や医療スタッフのアロマセラピーへの理解と

サポートがあってこそと思っています

 

 

講演された岩井先生が

 

「今日は良かった」と言ってもらえるような

サポートができれば、どんな小さなことでも

支援・援助になる

 

とおっしゃっていました

 

 

またシンポジウムの座長を務めてくださった

小澤先生が

 

「できない、ということも時に強みになる。

自分の強みにも弱みにも、しっかり向き合い

磨きをかけていこう」

 

とおっしゃっていました

 

 

 

「真の援助者とは?」を考えた時

 

「医療の中で自分だからこそできることは?」

と考え続けてきた10年でした

 

 

講演後には本当にたくさんの方から

温かい言葉をかけていただきました

 

また会場には医療者の方だけでなく

 

音楽療法士さん、アロマセラピストさん

僧侶の方などさまざまな職種のかたが

集まってくださったのが本当に嬉しかったです

 

ありがとうございました

 

 

座長を務めてくださった

めぐみ在宅クリニックの小澤先生

 

ご講演くださった陸前高田市国民健康保険診療所の

岩井直路先生

 

シンポジウム企画委員の先生方

ありがとうございました!

 

 

 

一夜明けて、今日からまた日常

 

 

朝から介護施設へターミナル期の患者さんの

訪問アロマケアに行ってきました

 

 

ご家族がトリートメントの様子を見ながら

 

「もっと早くこういうケアがあると知っていたら

先に亡くなった母にも受けさせてあげたかった」

 

とおっしゃっていました

 

 

アロマセラピーは、医療やお薬のように

病気を治したり、痛みを取り去るものではないけれど

 

 

「次のアロマが楽しみ」

「今日はアロマが受けられて、いい日だった」

 

 

そんなふうに感じていただけるケアの一つです

 

 

医療・介護の中でのアロマセラピーを

もっと多くの人に知っていただかなければ

 

 

そんな思いを新たに

またがんばっていきます