春からあらためて学び始めた国産精油
授業もあと1回を残すのみとなりました
薬剤師であり、アロマ・ハーブの研究者でもある
林真一郎先生のもとであらためて
国産精油を学びたいと思ったのは
先生の薬やハーブ、アロマ、セラピーに対する
薬理学をベースとした揺らぎない土台と
セラピーが持つホリスティックな作用への視点
その ” バランス感 ” が
本当に素晴らしいと思ったから
たとえば精油には
禁忌事項を持つものがあります
たとえば代表的なものには
ケトン類に属する成分を多く含む精油
神経毒性があり
子どもや高齢者、妊婦さんなどには使用NGと
どの教科書にも書かれていますね
でも林先生は「神経毒性」という言葉は
「神経に何らかの影響をもたらす」
とも言えるのだという考えをお持ちです
神経系に悪く作用する可能性があるのなら
良い方向へ働く可能性もある
それは「どう使用するか」によるところが
大きいと私も考えています
なぜなら薬だって用法用量により
毒になることもあるからです
神経毒性を引き起こす可能性があるのは
ケトン類に属するカンファーという芳香分子
ローズマリーなどの精油に多く含まれます
たしかに
カンファーという単一成分だけを見れば
非常にパワフルで、注意が必要です
(特に吸入において。実際にローズマリーの香りの作用は、皮膚塗布より吸入のほうが脳への影響が大きいという研究データもあります)
しかしローズマリーの香りには
カンファー以外にも多くの芳香分子が
存在しています
ローズマリーだけでなく精油というものは
多様な芳香分子の集合体です
そしてそれらが決して単一ではなく
複合的に作用するからこそ
良くも悪くもその薬理作用はマイルドなのですが
対して必要な成分のみを抜き取って、組み合わせ
パワフルな薬理作用をもたらす薬と
大きく異なるのがその部分だと思うのです
アロマの多様な成分かつ複合的な作用は
なんとも絶妙で
それが私たちの心と体のバランスを
うまく整えてくれている
ざっくりした説明のようにも思えますが
それが「自然」というものに根付いた
アロマセラピーの良さだと思うのです
だからこそ私たちアロマセラピストも
さまざまな視点からの「バランス感」を持って
精油を選択し、使用できるようにならなければ
なりません
薬理作用と禁忌のバランス
症状緩和とセラピー的要素とのバランス
クライアント、患者さんの心身のバランス
精油の濃度・頻度・使用法のバランス・・・
たしかに、禁忌のある精油を
除外することは簡単ですし
リスクの回避にもつながるでしょう
そしてセラピストは時にそういう部分に
「答え」を求めてしまいがちですが
万人に正とされるような正解なんて
セラピーにはそもそも存在していません
なぜなら人の心と体は
常に変化し続けるものだからです
だからその時その時の「最善」は
さまざまな視点からアロマとクライアントを捉え
さまざまなバランスを考えた先にしか
ないと考えます
それは時に、禁忌を理解しながらも
それを上回るメリット、必要性が
クライアントさんにある、という結論に
至ることもあるわけです
そして禁忌のあるアロマの使用については
使用する頻度、期間、濃度
塗布部位(局所の使用にとどめる)
などへの適切な判断で、多くの場合は回避可能である
というのが私の考えです
そういうバランス感を培うために必要なのは
「アロマセラピーの実践」しかありません
机の上の勉強だけで
いくら知識を詰め込んだとしても
そういうバランス感を身につけることは
できないように思います
なぜなら実践の中からでしか
学べないことがあるからです
そして自分の中のセラピーにおけるバランス感は
たしかな知識と実体験の積み重ねにより
支えられるものです
だから安全にアロマセラピーを行うための
最低限の技術と知識を身につけたら
あとはどんどん現場に出ていってほしいです
これから出会うクライアントさん、患者さんが
きっとたくさんの学びをくれますよ