アロマトリートメントの後の
お客さまの感想で多いのが
「触れてもらったことで
自分が疲れていたんだ、ということに
あらためて気が付きました」
という声。
それは私たちの体に備わったシステム
つまり
肌に触れる、ということが
自分の内側にある感覚を呼び起こす
という仕組みからきています。
私たちの触覚には、実は
2つの種類があります。
一つは一般的に「触覚」でイメージされる
「識別するため」の感覚。
「これはどんな手ざわり?」というように
手のひらや足の裏で
外部の情報をキャッチし
それを認識するための感覚です。
そしてもう一つは
「自分の感覚を感じるため」の感覚。
それは手のひらや足の裏以外の皮膚
いわゆる「有毛部」と呼ばれる
皮膚の部分から感じる感覚です。
たとえば悲しみをこらえているとき
誰かに背中をさすってもらうことで
どっと涙があふれたりするように
感じないようにしていた
自分の内側にある感覚が
体に触れられることで喚起される
そんなもう一つの働きが
触覚にはあります。
サロンにいらっしゃるお客さまは
仕事に、家事に、育児に
すごくがんばっていらっしゃる方ばかり。
いつも自分の疲れを見ないようにして
もっとがんばらないと、と
自分を保とうとしていたり
自分の思いよりも、ついつい
家族や周りの気持ちを優先していたり。
自分の内側を感じることよりも
自分の外側の世界に
意識が向きやすくなりがちだったりします。
自分の内側の感覚というのは、たとえば
呼吸だったり
心臓のドキドキだったり
痛み
あるいは胃腸の動きなどに
表れてきます。
うつの患者さんは
これらの内側の動きを感じる
「内受容感覚」が鈍磨していると
言われていて
うつのかたに真面目で頑張り屋さんが
多いと言われているのは
真面目がゆえに長い間
自分の感覚に蓋をし続けてしまった結果
自分がわからなくなってしまう
ということが一つあるのかもしれません。
ついついがんばってしまう人ほど
時々自分を感じる時間をつくることが
とても大切です。
全身の皮膚にあたたかさと
やわらかさが届くアロマトリートメントの
タッチは
「内受容感覚」という
自分の内側を感じる感覚を
取り戻すスイッチになります。
内受容感覚が養われると
自分の体の調子、感覚だけでなく
心の様子もよくわかるようになります。
その結果
・自分はちゃんとここにいるという安心感
・自分と他人の境界線が明確になる
・自分と体が一体である
そんな感覚が感じられるようになります。
自分はこんなに疲れていたんだな
がんばっていたんだな
そんなことに気づくことで
少しだけ自分を大切にしてあげよう
そんな気持ちも芽生えるはずです。
世の中はまだまだ少し不安定だけど
こんな日々だからこそ
自分という存在
その内側をしっかり感じられることが
生きやすさにつながると思っています。